この記事は公式サイトの情報を元にして、実際にインストールした時の手順や注意事項をまとめたものです。正確な情報や詳しい情報は公式サイトを確認してください。
FreeBSD公式サイトの日本語版
https://www.freebsd.org/ja/
インストール媒体(ISO FILE)の入手先
インストール媒体(ISO FILE)の入手先や媒体の種類は複数あります。この項目ではダウンロードに必要な情報をまとめてみました。
公式サイトの入手先
公式サイトの入手先
上の公式サイトからダウンロードするとFTPサイトがアメリカになっています。
日本国内のFTPミラーサイト
日本国内にもミラーサイトがあるのでそこから入手することも可能です。
サーバ・ネットワークの負荷を分散するためにもアメリカからダウンロードするよりも日本国内のミラーサイトからダウンロードした方がいいと思います。
日本国内のFTPミラーサイト
ftp://ftp.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/ISO-IMAGES/
ftp://ftp1.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/ISO-IMAGES/
ftp://ftp2.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/ISO-IMAGES/
ftp://ftp3.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/ISO-IMAGES/
ftp://ftp4.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/ISO-IMAGES/
ftp://ftp5.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/ISO-IMAGES/
ftp://ftp6.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/ISO-IMAGES/
ftp://ftp7.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/ISO-IMAGES/
ftp://ftp8.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/ISO-IMAGES/
ftp://ftp9.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/ISO-IMAGES/
媒体選択の参考
アーキテクチャの選択
amd64 | 64ビット環境用:x86-64 |
i386 | 32ビット環境用:x86 |
サポート
リリース | リリース日 | 保守終了予定日 |
---|---|---|
12系 | 2024.06.30 | |
12.0-RELEASE | 2018.12.11 | 12.1-RELEASE 公開から 3 ヵ月後 |
11.3-RELEASE | 2019.07.09 | 11.4-RELEASE 公開から 3 ヵ月後 (または 2021 年 9 月 30 日) |
※12.1-RELEASEは2019.11にリリース予定。
どのISO FILEをダウンロードするか?
以下は個人的な考え方です。
- 最新機能を求める場合は12.0-RELEASEをダウンロード。
- 保守的なアップデートを採用するのであれば、11.3-RELEASEをダウンロード。
11系を採用する場合
- 12.1-RELEASEがリリースされた時点で11.3⇒12.1に上げる。
- 11系の保守終了予定日を目途に12系に上げる。
ダウンロード時間
ISO FILE(CD/DVDのイメージ)のダウンロード時間は環境により10分~2時間ぐらい差があると思います。以下のファイル容量を参考にしてください。
FreeBSD-11.3-RELEASE-amd64-dvd1.iso | 約3.6GB |
FreeBSD-12.0-RELEASE-amd64-dvd1.iso | 約3.8GB |
インストールの流れと時間の目安
インストールの流れと、以下の環境でインストールした時の時間の目安です。
(なお時間はホスト名やネットワーク環境などの設定値を事前に調べているものとした場合です。)
[ホスト環境]
OS:Windows8.1
CPU:Intel(R) Core(TM) i7-4770 CPU @ 3.40GHz
MEM:16GB
[仮想環境]
VirtualBox上にFreeBSD12.0-RELEASEをインストール
CPU:1コア
MEM:1GB
HDD:20GB
[全体の流れと時間の目安]
- インストール媒体から「FreeBSD Installer」を起動する。⇒約1分
- 初期設定 ⇒約5分
- キーマップの設定
- ホスト名の設定
- 追加コンポーネントの選択
- ディスク領域の割り当て
- インストールの実行 ⇒約1分
- root のパスワードを設定する。⇒約30秒
- ネットワークの設定 ⇒約30秒
- タイムゾーンの設定 ⇒約30秒
- 追加で有効にするサービスの選択 ⇒約30秒
- セキュリティの設定 ⇒約30秒
- ログインユーザ(アカウント)の追加 ⇒約3分
- 再起動 ⇒ 約1分
合計:約13分30秒
- 初めてインストール場合は2~3倍程度見ておいた方がいいと思います。
- わかっていると思いますがWindows(GUI)環境のインストールと構築時間は含まれていません。
インストール方法
実機にインストールする際に必要な手順と注意点をまとめてみました。
FreeBSD Installerの起動
インストール媒体から「FreeBSD Installer」を起動する。
- 該当サーバまたはパソコンの電源を投入する。
- インストール媒体をセットしてDVD/CDから起動(ブート)する。
- 起動オプションのメニュー画面を表示するので、そのまま待つかEnterキーを押す。
- FreeBSD Installerの「Welcome」画面を表示するので、[Install]を選択してEnterキーを押す。
キーマップの設定の設定画面を表示するので以降の設定を順番に設定していく。
キーマップの設定
- カーソルを移動して「Japanese 106」を選択してEnterキーを押す。
- 「Continue with jp.kbd keymap」と「<Select>」が選択された状態(背景が青色)になっている事を必ず確認してからEnterキーを押してくだい。
ここで操作を誤るとキーマップが設定されずにデフォルトのUSキーボードになる場合があります。
もし、日本語キーボードの設定がされなかった場合、インストール後に以下のファイルを編集してjp.kbdを設定してください。
ファイル
/etc/rc.conf
設定
keymap=jp.kbd
ホスト名の設定
- 入力するホスト名は、 machine3.example.com のように完全修飾のホスト名で入力します。
- インターネットで公開していないPCであれば pc01やpc01.myhomeなどでも問題ありません。
- DNSサーバなどでドメイン・ホストを管理している場合はそれに従うこと。
インストールするコンポーネントの設定
ports、srcなど必要なコンポーネントがあれば追加で選択する。
ディスク領域の割り当て
自動割り当て
- Auto(UFS)を選択する。
ここで、複数のディスクが接続されている場合はディスクの選択画面を表示するので選択して次へ進む。
- パーティションの構成を決める。
通常はGPTを選択する。GPTに対応していないような古いPCの場合は、MBRを選択する。
- デフォルトの構成で問題ない場合は[Finish]を選択してEnterキーを押す。
- 変更する場合、変更が必要なパーティションまで移動して変更する。
- ドライブを選択した状態で[Delete]を選択するとパーティションの構成を消すことができるので[Create]で構成を設定し直す。
パーティションの構成を変更する方法は「手動で割り当てる」とやり方は同じなので、以下を参考にして変更してください。
手動で割り当てる
- Manualを選択する。
- パーティションの構成を設定する。
- 入力域への移動はTabキーで移動できます。
- Typeの指定はインストール時に少なくとも以下の3つが必要です。
freebsd-boot | FreeBSD ブートコードを含んでいます。 |
freebsd-ufs | FreeBSD UFS ファイルシステム。 |
freebsd-swap | FreeBSD スワップ空間。 |
- Labelはなくても設定できますが、ディスクの接続構成が変更された場合などを考慮してユニークなラベルを付けることが推奨されています。
やり方
- [Create]を選択
- Type/Size/Mountpoint/Label を指定する。
- 全てのパーティションの設定が完了したら[Finish]を選択してEnterキーを押す。
必要なパーティションを全て設定する。
例 /usr/homeを分ける
画面では /usr/hom になっていますが、パスの表示域が8文字分しかないようです。インストール後は下記のように正常にhomeパーティションが切られています。
インストールの実行
ディスク領域の割り当ての最後に[Finish]を選択すると以下のメッセージを表示します。
[Commit]を選択してEnterキーを押すとインストールが開始されます。
root のパスワードを設定する
ネットワークの設定
- ネットワークカードの選択。
- IPv4の設定をする場合は<Yes>を選択する。
- DHCPで自動で割り当てる場合は<Yes>を選択。
- .IPv6の設定をする場合は<Yes>を選択。 今回はNo
- DNS の設定
3でDHCPを選択した場合は自動で入力されているので、そのまま<OK>を選択
タイムゾーンの設定
- Asia -> Japan を選択する。
- 日本時刻で問題なければ<Yes>を選択する。
- 日付、時刻の確認。
時刻が+9時間進んでいても時刻を合わせずに<Skip>を選択すること。(メモ参照)
タイムゾーンの設定について
タイムゾーンの設定は基準となるBIOSの時刻(ハードウェアクロック)がUTC(世界標準時刻)で設定されているものとしてタイムゾーンが設定されます。
従って、BIOSの時刻がローカルタイム(日本時刻)で設定されていると、OSの時刻が+9時間進んだ時刻になります。これを回避するにはBIOSの時刻をUTC(世界標準時刻)で設定するか、インストール完了後に、/etc/wall_cmos_clockを作成する必要があります。
FreeBSDは /etc/wall_cmos_clock の有無により、 ハードウェアクロック がUTCなのかローカルタイムなのか判別しています。 wall_cmos_clock は空ファイルです。
ハードウェアクロックの事を別名でRTC(Real Time Clock)やCMOSクロックという呼び方をすることもあります。
参考:空ファイルの作り方
# touch /etc/wall_cmos_clock
touchコマンドはファイルの更新日時を変更するコマンドですが、指定したファイルが存在しない場合、そのファイルを新規作成します。
追加で有効にするサービスの選択
後で設定可能なので、今回はデフォルトのsshd, dumpdev のみ指定。
セキュリティの設定
必要であれば設定する。
ログインユーザ(アカウント)の追加
- 少なくとも管理者となる一人分のログインユーザ(rootではなく一般ユーザのアカウント)をここで作成しておくことをお勧めします。
- Login groupにwheelを追加しておくと一般ユーザでログイン後にsuコマンドでrootになれます。
- デフォルトのシェル(sh)はashなので補完機能(history,alias)がありません。よって、どのシェルを選択すればいいかわからない場合はtcshを選択しておくことをお勧めします。bashなど他のシェルを使う場合、OSインストール後に必要なシェルをインストールしてください。その後でログインシェルの変更も必要であれば変更してください。
- Yesを選択する。
- 以下の項目に応答する。
入力例
Add Users
Username: taro
Full name: taro Momo
Uid (Leave empty for default):
Login group [username]:
Login group is taro. Invite username into other groups? []: wheel
Login class [default]:
Shell (sh csh tcsh nologin) [sh]: tcsh
Home directory [/home/taro]:
Home directory permissions (Leave empty for default):
Use password-based authentication? [yes]:
Use an empty password? (yes/no) [no]:
Use a random password? (yes/no) [no]:
Enter password: パスワード入力
Enter password again: 上と同じパスワード入力
Lock out the account after creation? [no]:
赤字部分を入力する。それ以外はデフォルトのまま(空Enter)
- 一覧を表示する
- 以下の質問に応答する。
OK? (yes/no): yes ←問題なれば「YES」を応答する。
adduser: INFO: Successfully added (username) to the user database.
Add another user? (yes/no) : no ←他のアカウントを追加しない場合
「no」で終了する。
終了
最後に「Final Configuration」の画面を表示するので追加で設定する必要がなければ、「Exit」を選択して終了する。
「Manual Configuration」の画面を表示するので「No」を選択する。
「Complete」の画面を表示するので「Reboot」を選択する。
再起動するので、インストール媒体を抜くこと。
再起動後にOSが起動した画面(ログイン画面)
これで、OSインストール完了です。
キーボードの設定や wall_cmos_clock など漏れのあった項目があればログインして設定変更を進めていきます。基本部分のシステムが問題なければ、sshやデスクトップ環境など必要に応じて構築していきます。
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